<< 前のエントリ |メイン | 次のエントリ >>
2011 年11 月01 日

取調べの歴史

  河合敦「江戸のお裁き」角川新書を読んでいると、日本の刑事裁判は江戸時代から自白がすべてで、証拠が全部そろっていても自白がないと有罪とされない、そのため自白を得るために拷問も行われていた、被疑者が自白すると犯行の経緯とそれを承認する口上書きが作成されて、読み聞かせがされ、異議がなければ爪印が押されたという。なるほど、日本の刑事司法における自白偏重主義及び自白を得るための取り調べのシステムは江戸時代からの歴史的産物・身に染みついた伝統なのだ。刑事訴訟法によって構築された制度ではないのだ。

  そうすると、法律によってこれを禁止し、それを確実に担保するための制度が構築して、それを常に意識するように外圧を加えない限り、捜査機関(それは警察に限らず、検察でも、検察官役の弁護士でも同じ)では自然と自白を得るために取り調べが行われることになる。心すべきだ。

  ところで、江戸時代では、拷問をするときは老中の許可が必要とされ、拷問には監察役や医師の立会が求められたというから、その意味では、密室で拷問的な取調べが行われる現代よりは、
被疑者の人権に配慮されていたということがいえるだろうか。

投稿者:ゆかわat 19 :05| ビジネス | コメント(0 )

◆この記事へのコメント:

※必須